夢はいつの時代も、人々をまどわし、魅了してきました。 では、夢の正体は何なのでしょうか?  いったい何が原因で夢を見るのでしょうか?  これはだれもが一度は抱いたことのある疑問ではないでしょうか。

19世紀以降、「夢判断」で有名な精神分析学のジグムント・フロイトや、分析心理学のカール・ユング、個別心理学のアルフレツド・アドラーをはじめ、数多くの著名な心理学者、精神病医、精神分析学者たちが、熱心に夢の研究をおこなってきました。

彼らは、あらゆる夢には内的なメッセージ性があり、内的な願望と欲求不満の視覚化であることに注目してきました。 そして夢のもつ顕在意識的な意味を解明することによって、心中に巣くっている精神的葛藤や恐怖症や病的執着、その他の精神的コンプレックスなどから患者を解放する手助けをしてきたのです。

一言に夢と言っても、単なる過去の出来事の再生の場合もありますが、 精神的・感情的混乱や、肉体的機能障害、不安や恐怖の心理、あるいは性的欲求不満や抑圧などが起因している場合もあります。

しかし、それが起こる前に未来の出来事を知らせる、いわゆる予知的な夢という場合もあります。 それは、夢うつつの状態で、次にどういう行動をとるべきかという啓示を与えられているようなものです。

あなたは今朝どんな夢を見ましたか?  自分自身や愛する人へのさし追った不幸なできごとを予言しているような夢の場合、それを馬鹿にしてはいけません。 潜在意識は夢によって、あなたに何かを知らせようとしているかもしれないのです。

また、多くの人々は見た夢を覚えていないか、無視しようとします。 というのは、夢が実際に彼らの思い出したくない記憶…否定的で、怒りっぽく、憎しみにみちた心境をあからさまにしている場合が多いからです。

眠りにつくと、潜在意識はそういった考えや感情を引継ぎ、その内容をドラマ化して見せることで、「否定的で破壊的な精神的毒物で顕在意識を汚すのをやめろ!」とあなたに対してクレームをつけているのです。

しかし、悪夢や否定的な性質の夢はすべて、顕在意識を明るくすることによってたやすく変えることができます。

とくに眠る前は、あらゆる種類の不穏な煩わしい考えを心から取り去り、建設的なエネルギーがあなたの中に流れ込むように、きれいな通路をつくっておくことが非常に大事です。

そこで、マーフィー博士が推奨する、眠りに入る前のエクササイズをご紹介します。

まず、リラックスして横になるか、ソファーやイスなどに深く座ります。 そして、自分の体に心の中で次のように語りかけるのです。

足の指がくつろいだ。
くるぶしがくつろいだ。
腹筋がくつろいだ。
心臓と肺がくつろいだ。
手と腕がくつろいだ。
頭がくつろいだ。
脳がくつろいだ。
顔がくつろいだ。
目がくつろいだ。
私の体も心も全部くつろいだ。

そして、今日一日のできごとをふり返ってみて、たとえどんな嫌なこと、腹立たしいことが起こっていようと、心を静めて自分にこう言い聞かせるのです。

私は今日一日、否定的な感情を抱いてしまった自分、否定的な態度をとってしまった自分を心から許します。

私は次回からはあらゆる問題に対して、建設的な方法で対処することにします。

私は今、いたるところにいるすべての人々に対して、愛と善意を放射しています。

私の心は今、平和で落ち着いています。

こうすることで、心も体もしっかりくつろいで、深い眠りに入ることができます。

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